中沢万里子 Mariko Nakazawa

Pre-stage’10 
中沢万里子ピアノ・スペース


第70回 5月21日(金)・第71回 9月24日(金)18:45開演
スタインウェイ・サロン東京 松尾ホール

■プログラム

■第70回 5月21日(金)
モーツァルト  ピアノソナタ 第16番 変ロ長調 K.570
シューマン  トロイメライ (子供の情景 より)
ラヴェル  水の戯れ
ドビュッシー  アナカプリの丘  (12の前奏曲 第1巻 より)
リスト  愛の夢
ショパン  ワルツ 第5番 変イ長調 Op.42
ムソルグスキー  展覧会の絵 より
■第71回 9月24日(金)
J.S.バッハ  パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825
ハイドン  ピアノソナタ第34番ホ短調Hob. XVI: 34
ショパン  ノクターン 第1番 変ロ短調 Op.9 no.1
ドビュッシー  月の光 (ベルガマスク組曲 より)
ラフマニノフ  エレジー Op3 No.1
リスト  リゴレット・パラフレーズ
ベートーヴェン  ピアノソナタ 第21番 ハ長調 Op.53 「ワルトシュタイン」

中沢万里子ピアノスペース 第70回、第71回 石田一志(音楽評論家)
 中沢万里子さんの「ピアノスペース」のシリーズがとうとう70回を越えることになった。凄いことだと思う。もっとも国際的な超人気ピアニストなら、世界を飛び回って年間150回以上のリサイタルをこなす例が少なくないから、回数それ自体の話ではない。凄いと言いたいのは中沢さんの持続力、継続する意思とその中でのコンセプトの一貫性ということである。
  Pre-stageの副題があるように、「ピアノスペース」はいわゆる公のリサイタルではない。公のリサイタルは、楽壇のなかでの主張の機会であるかもしれないが、究極その演奏は聴衆という海に手紙を込めた瓶を投ずるようなものである。中沢さんの「ピアノスペース」は、そのような公的リサイタルの以前に存在すべき、あるいは前提として決して忘れてはいけない私的音楽空間の重要性を一貫してアピールされてこられた。
  この私的音楽空間は、譬えれば中沢さんがシェフを務めるレストランのキッチンとでも言うことができよう。この空間に入って、初めて食材を知り、調理器具を知り、レシピを知り、調理の技にも接することができる。ある料理が単に美味しいか否かが問われるのではない。自分でも作ってみたくなるような状況が、この空間に来れば生じるのである。
  中沢さんはこの70回、この私的空間を開放して、自らは鍵盤に向かいながら、主体的な関心の強い方々と一緒に、ピアノ音楽の魅力を共有しようと一貫して語りかけてこられたと思う。中沢さんの音楽とはまさに包容力なのである。
  今年度もプログラムには魅力的な作品が並んでいる。第70回は、モーツァルトを除けば、形式的には自由な作品が並べられている。技巧的にはラヴェルの《水の戯れ》にひとつの山であり、後半ではいうまでもなくムソルグスキーの《展覧会の絵》からの抜粋が重量級の内容。第71回は、バッハの古典組曲とハイドンとベートーヴェンのソナタの代表作が並んでいる。これらがプログラムの重要な骨組みになっているが、ラフマニノフの《エレジー》を弾いていただけるのは嬉しいことである。また、技巧的にはリストの《リゴレット・パラフレーズ》の重唱場面も興味深いところである。

中沢万里子プロフィール
 ごあいさつ

 「中沢万里子ピアノ・スペース」がスタートしましたのは、1986年5月のこと、お客様と身近に音楽を共有できる親密なスペースを心に描いての第一歩でした。
 今年は25年目、回数にして70回を迎えますが、ここに至るまでの年月、私の演奏活動の大切な要として、このシリーズを欠かさず続けてくることができましたのは、ひとえに皆様のあたたかいご好意に支えられてのことと、深い感謝の気持ちをこめてお礼申し上げます。
 昨年12月には、恒例の「第九と皇帝」で、ピアノ協奏曲「皇帝」のソリストという、大変に光栄、且つ晴れがましい舞台を経験させて頂き、沢山の聴衆の方々に聴いていただくことができましたのは、大きな喜びでした。このような機会に恵まれましたことを感謝し、お客様をはじめ、応援し見守って下さいました関係者の方達に、あらためて心からお礼申し上げます。
 2010年「ピアノスペース」は、名曲をちりばめた多彩なプログラムを用意いたしました。5月の「展覧会の絵」は、他に類を見ないムソルグスキーの特異な世界を、ダイジェスト版でお楽しみください。9月は珍しくバッハ、ハイドンに始まり、コンサートの最後を飾るに相応しいベートーヴェン円熟期のソナタ「ワルトシュタイン」を堪能して頂きたいと思っています。
 今年も、皆様にピアノ音楽の魅力を十二分に味わって頂けることを願い、一層、精進してまいりたいと思います。
 どうぞ、「ピアノスペース」をよろしくお願い申し上げます。

2010年3月 中沢万里子



   
■自由席4,000円(各日共)連続券¥7,000(68〜69)こども2,000円
ご予約とお問合せ:シド03(3465)6115

■主催:シド音楽企画 03-3465-6115 
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