大司宣子 Noriko Oji

*いつくしむとき 大司宣子ピアノコンサート* 
2009年9月5日(土)15:00 開演
終了しました。ご来場ありがとうございました。
スタインウェイ・サロン東京 松尾ホール
プログラム
シューベルト 
ソナタ 第13番 イ長調Op.120
ショパン 
ワルツ 変イ長調Op34 No.1
ノクターン 第8番 変二長調Op.27 No.2
エチュード Op.10 No.5「黒鍵」
バラード 第1番 ト短調Op.23
ベートーヴェン 
ソナタ 第8番 ハ短調Op.13「悲愴」
ブラームス 
2つの狂詩曲 Op.79

メロディーは音楽のいのち
作曲・音楽評論 齋藤弘美
 ふだんわたしたちが音楽を聴く時には、無意識にメロディーを追っている。それはごく自然なことのように思う。なぜならメロディーには音楽の最もとらえやすい“表情”があらわれているからだ。名曲を数多く書いた作曲家たちのほとんどは、メロディーを作ることにかけては天下一品の腕前を持っている。今回のプログラムで取り上げている作曲家たちは、いずれも最上質のメロディーを書いたひとたちだ。
最初に演奏されるシューベルトは言うまでもなく“歌曲王”として有名だが、歌曲以外の器楽曲でも“旋律主導”の傾向は顕著である。《ピアノ・ソナタ第13番》はソナタ形式でありながら、旋律が優位に立っているために、古典的なソナタ形式とは大分異なる作品となってしまっている。多くのピアニストがシューベルトのピアノ曲に惚れ込むのは、深い叙情性に根ざした、汲めども尽きぬメロディーの豊かさにあるからではなかろうか。ショパンもそれに引けを取らぬメロディーを書くひとだ。明暗、緩急、軽重など様々なメロディーのタイプがあるが、ショパンのメロディーにはどこか詩的な優雅さや品格が漂う。有名な《ワルツ》や《ノクターン》、《エチュード》や《バラード》からは、ショパンの切実な思いや感情的起伏、美意識などが鮮明に感じ取れるに違いない。
後半はベートーヴェンとブラームス。ある意味で両者はタイプが似ている。何か堅苦しくて重い音楽を書く作曲家のイメージがある。けれども彼らの音楽の“生命線”はやはりメロディーにある。《悲愴ソナタ》の第2楽章は現代では“癒しの音楽”の筆頭にあげられるし、《2つの狂詩曲》の中間部の叙情的旋律の美しさは万人を引きつけるものがある。いわば“男性的な優しさに溢れた”極上のメロディーと言って良いかもしれない。
メロディーにはそれぞれの作曲家たちの思い入れと感性、人間的な深みが宿っている。こうしたメロディーの機微を、感性豊かなピアニストである大司宣子さんが今宵、どのように読み解いていくのか大変楽しみである。

ごあいさつ

今年も“いつくしむとき”を開催できますこと、大変嬉しく思っております。

 音楽への思いを込めた一夜に、毎年大勢の皆様が足を運んで下さいますこと、そして「次回もまた…」と言って頂けますこと、言葉には言い尽くせない感謝の思いです。
 長年にわたり、私の演奏活動を皆様に支えていただき、心より御礼申し上げます。

作曲家たちの生きた証しとして、讃えられる音楽がたくさん存在しています。 
振り返りますと、この数え切れない音楽の中で、その時最も心が寄り添える楽曲を選び、プログラムを組んできたことを思います。時に過去の選んだ作品から、当時の自らの心模様が思い出されることもあります。
 一つの楽曲に、ぎっしり詰まっている宝物に気付いていく日々。
歩幅は小さくても、音楽と共にあった旅路。この歩みに思いをめぐらす時、自身に与えられた幸いに胸が熱くなるのを覚えます。 

今回は、会場を日比谷に移してまた新たな一歩にしたいと願っております。
土曜の午後のひととき、優美なシューベルト、ショパンの名曲の数々、ドラマティックなベートーヴェンのソナタ、そして大好きなブラームスを聴いて頂きたいと思っております。
 皆様に音楽の豊かさを少しでも感じて頂けるコンサートとなりますよう、今後も励んでまいりたいと存じます。

 どうぞ宜しくお願い申し上げます。                       2009年7月 大司宣子

大司宣子プロフィール



■自由席3,600円 ジュニア2,000円(中学生以下)
ご予約とお問合せ:シド03(3465)6115
■主催:シド音楽企画 03-3465-6115 E-mail:info@sido-music.com


ある日の大司宣子…
娘へ

「片思いでも誰かを好きだなあと思っている時が一番楽しい」とぽつり娘が言った。 
なるほど彼女らしい言葉だなあと思う。
そりゃあ、自分の中の思いだけを育てている時が楽に決まっている。
でもねえ、愛する、愛していくしんどさも味わって欲しいと親は思う。
自分の心の容量なんて風船のように簡単に膨らむものではない。
ってことは、心の中の自分をちっちゃくしないと、他の人の入る余地は無い。
自分をちっちゃくする事は、あなたにとっても私にとっても大変なこと。
でもちっちゃくしていく経験、それが愛していくことだと思う・・・

2005年8月

喜びがもたらすものは

“いつもハッピーな気持ちで歌いたい”と歌手サラ・ブライトンは話していました。
私達日本人が日常“ハッピー”と使うのは、少し意を異にするのではないかと思います。
小さなことにも喜びを感じられる。受け入れ難いと思えることにも喜びを見い出せる。
これこそハッピーな気持ちのあらわれだと思うのです。そんなハッピーな気持ちが表
すものは、恐らく周りの人にも何か伝わるのでしょう。  
ライブはとくに送り手と受け手が同じ空間の中で直接交信する瞬間があります。
2度とない同じ瞬間、かけがえのない時を目指したいと思います。  
日々、今の自分を受け入れながら… 

2002年3月

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