明治維新以来、ヨーロッパ文化が堰を切ったように我が国に流れ込み、西洋音楽も又、多くの人々を魅了した。そして、その普及は目覚ましく、クラシック音楽の愛好家も破竹の勢いで急増していった。西洋音楽に学んだ日本の演奏家たちは、所謂、音楽愛好家達に支えられ、ヨーロッパの音楽を中心に演奏活動を展開してきたが、楽器や楽譜を輸入し、知識や技術を身につける事はできても、音楽する心まで輸入する事は出来なかったのである。
現在、私達日本人は、作曲家諸氏の弛まぬ努力と精力的な活動により、既に、多くの優れた作品に恵まれている。「日本の音楽展」開始以来、演奏家達は、心の拠りどころとして自分に相応しい作品を探し求め、毎年宝探しにも似たような作業を繰り返している。1997年より設けられた「日本の音楽展・作曲賞」は、多くの優れた作品に出会う機会でもある。
日本の音楽は、私たち日本人にとって掛け替えのない素晴らしい財産である。演奏家達は自ら作品を択び、これらの作品を繰り返し演奏し、聴衆と共に日本の心に触れたいと願っている。
「日本の音楽展」は、今年29周年を迎えました。今日まで続けて来られたのも、諸先輩や友人達、積極的にご参加いただいた演奏家の皆さんのお力添えの賜であり、そして又、何よりも、ご来場いただいた皆様方のご理解と暖かいご支援のお陰です。改めて感謝の意を表し、厚くお礼申し上げます。
甚だ微力ではございますが、「日本の音楽展」の充実と発展のため、なお一層の努力をして参りたいと存じます。今後とも、よろしくご指導ご鞭撻の程、伏してお願い申し上げます。 |